私は、議員提出議案第2号として提案されました「鳥取県職員の給与の適正化に関する決議」に対して、反対の討論を行います。
今日の国・地方の困窮した財政状況の中で、行政改革と言う美名の下に安易な選択肢でもあり、職員の給与だけにターゲットを絞った決議でもあります。
議会の一般質問でも申し上げたとおり、今日の財政状況を招いた政治の責任を総括することなく、過去の失政を、何ら責任のない職員に転嫁しようとするものであり、理解に苦しむものであります。
決議の中で指摘されている、わたり制度についてであります。人事委員会は「職員のすべてを調査し、いずれかの職級に格付けしなければならないとされています」、しかし、本県には、地方公務員法で求められている『職階制』が整備されていないため、昭和35年から現在の主任、主査制度が導入され、秩序ある職場の維持、つまり、職務の責任を明確としながら職員が職務を遂行できる制度として運用されてきたもので、他県においても同様な運用がなされてきているのであります。確かに、現在においては、まったく矛盾がないわけではなく、現在、国で検討されている公務員制度改革の検討を待たなければならない部分もありますが、本県においては、主任、主査のあり方を含め、労使で協議されていると聞いております。
また、本文で課長補佐級以上の比率を国家公務員並みの比率にと指摘されていますが、組織規模が違う国家公務員と我が県の組織を比較すること自体に問題があり、今年の9月に発表された地方行財政調査資料から見ても、係長以上の役付け職員の比率は、全国でも低いほうから4番目であり、指摘するほどの状況ではありません。
つぎに、特別昇給についてでありますが、運用のあり方を含め適用範囲を10l以内とする規制をかけようとするものでありますが、現状は人事委員会の『職員の初任給、昇給、昇格等の基準に関する規則』で定められている15l以内という規定のもとで運用がされています。
そもそも特別昇給の範囲を現在の15l以内とされているものを10l以内と変更しようとする根拠が不明確であると共に、その運用のあり方については、正に知事の専管事項でもあり、議会の決議になじまないものと考えます。
最後に、職員給与の見直しによって生じる財源で、給与カット率の引き下げを行うこととなっております。一見、職員に配慮した項目のようでありますが、現実として、17年度以降の職員の給与カットについては、現在も労使で協議中であると認識をしています。この認識は、私だけでありましょうか。
決まってもいないものを、さも決まっているかのような形で、議会で決議することは、議会の見識が疑われることであり、議会の勇み足であると思います。
最後に申し上げたいことは、県職員の皆さんも、今日の財政状況については、十分な理解はされており、そのあり方については、県民の理解が得られるものとして作り上げなければならないと言う思いは深く、鋭意、労使で協議されていることであり、議会の権力と圧力で、介入することは極力避けるべきで、当事者間の努力を尊重すべきものと考えます。
以上のことを踏まえ、「鳥取県職員の給与の適正化に関する決議」については反対し、私の討論と致します。
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