03'礼文編12345

9月10日 ※礼文島へ※

機上の人。
23時の高速バスで大阪に向かう予定。準備もしていないのに仕事が遅れて焦る。19時過ぎに仕事を残りの人に押し付けて家に帰る。バタバタと荷造り。こんな時はたいてい何かを忘れる。今回はバスと飛行機の予約番号の書かれたメモを職場に忘れていた。天気予報では台風14号が沖縄に近付きつつあった。

バスターミナル。電車の都合で1時間ほどの待ち。コンビニで夕食とペットボトルのお茶を買う。バスにも水は用意されているが以前これで痛い目にあって以来飲み物は持参するようにしている。大阪のOCATまでは本来ならば3時間半ほど。夜行便だけは23:00発の5:00着の6時間の行程。途中のサービスエリアで2時間ほど停車するらしい。乗り込んだバスの席は半分ほどが埋まっていた。

9月11日 ※礼文島上陸※
ほぼ定刻通りにOCATに到着。関空へ向かうバスまでは1時間弱。早朝にもかかわらず、たくさんの人が待合室のソファーを埋めていた。関空までは\880、およそ45分の道のり。5:30に通電した券売機で乗車券を購入し、しばらくすると始発便が滑り込んできた。

シャトルバスはウトウトしているうちに関空に到着した。到着した降り口は3階。想像していた以上に大きな施設だ。空港ターミナルに入ると吹き抜けの巨大な空間が広がる。平日の早朝ということもあって人はまばらだがピーク時にはきっとこの空間が人で埋め尽くされるのだろう。
稚内行きの便は10:25発。搭乗手続きを考えても3時間ほど時間が空く。とりあえず職場に電話を入れて予約番号をメモる。搭乗手続きまでやる事もないので大きな荷を抱えたままウロウロしてみる。3階の飲食店街を一通り見て回り、2階の受け付けカウンター裏側にあったカレー屋さんでモーニングセットを頼んだ。朝っぱらからカレーってのもどうかと思ったが漂ってきた香りに食欲がそそられたのだ。

搭乗までの待ちの間に宿に電話を入れる。電話に出たのはヘルパーのHさんのようだ。名を告げて予約をする。向うは快晴らしい。
金属探知のゲートを無事に潜り抜けて乗り場へ向かう。待合室はエプロンに並んで横にだだっ広い。人気の少ない待合室を乗り場に向けて歩いていくと年配層の集団に突き当たった。稚内行きだ。受付のターミナルは若い人のほうが多かったように見えたがここだけは違う。自分より若いのはツアコンの人以外に2〜3人くらいじゃないだろうか。ツアー客はおそらく行き先は同じ。変に混雑していないことを祈るばかりだ。
関空を発つ。離陸した機体は徳島方面に旋回し大阪上空を通過し、高度を上げていった。雲を抜けると見下ろす景色はほとんど変わらない。上昇しきる前に寝てしまう。






青森上空で目を覚ます。しばらく窓の下を眺めていると噴火湾が見えてきた。デジカメを構えるが主翼の付け根からだと中々いい構図では撮れない。そのまま北上を続け、留萌上空を通過。天塩上空からは2月前に驚かされた二十数基の風車群も見ることができた。

稚内空港。1日に来機する便に合わせてバスは運行されている。待つことなくバスに乗り込みフェリーターミナルへ向かう。バスはゆっくりと市内を進むが次のフェリーまでは2時間ほど余裕がある。天気もいい事だしフェリーターミナルのすぐそばにある稚内北防波堤ドームに行ってみる。防波堤によじ登って写真を撮っているとデジカメのケースがさわやかな強風に飛ばされた。テトラポットにもぐりこんで探すが見つからない・・・不吉だ。肩を落として稚内駅に向かう。

駅で写真を撮ってフェリーターミナルに戻ってくると人がだいぶ増えていた。券売機で乗船券を買い、乗船名簿に記入する。ターミナルの中は人がたくさんいたが前回に比べればだいぶ少ない。乗り込んだ船内にも寝転がるスペースがだいぶあった。出航して湾内を出ると船室の窓をたたくほどの波になる。野寒布岬を見送ってしばし眠りにつく。

目を覚まし、外に出ると礼文が迫っていた。風は強く雲もひっきりなしに流れていたが間に見える空は青かった。接岸した波止場には懐かしい旗と顔が見え、思わず手を振る。この便で来た宿泊客は自分ひとり。出迎えてくれたヘルパーのHさんは思ったよりもやせていなかった。前来た時にいたもう一人のヘルパーさんがやめていたのは知っていたので心配していたのだが、元気そうで何より。車の中で話を聞くと文夫さんのお姉さんがヘルプで来ているのだと。”なぎさ”に到着し、玄関に入ると「おかえり」と変わらぬ笑顔で文夫さんが迎えてくれた。
居間には慣れた感じの人達がくつろいでいた。ほとんどの人がリピータなのだと。なるほど、それぞれ一癖も二癖もありそうな雰囲気を持っているように見える。食事を待つ間、宿の前で利尻富士を撮る。2ヶ月しか経っていないつもりだったが日の沈むのがだいぶ早い。

食後の手伝いを終え、外で仲秋の満月を撮る。利尻からだいぶ離れたところに月は昇る。色々と試し撮りをしてみるが思うような画は撮れなかった。

今日の寝床も秘密基地だった。宿泊客が多いようには見えなかったが・・・法則性が良くわからない。相変わらず文夫さんの寝付きは早かった。

03'礼文編12345