9月13日 ※礼文岳〜下って桃岩を回る※ | ||
今日も「朝焼けだよ」と起こされる。外に出て空を仰ぐと低い雲が東の方へ次々と流れていく。台風がやってくるのは予報で今夜半。時折青空が覗くが、今日どのくらいもってくれるかはわからない。 朝食を採り、支度をする。「午前中のうちに礼文岳に登ってしまおう」そう考えていた。様子見でゆっくりしている人もいたが、雨が降らないのは今日の午前中一杯だと思っていたのでスコトン方面に向かう車に乗り込み、内路の登山口まで送ってもらう。バス停の時刻表を受け取り、7:20過ぎ、ひとり斜面を登りはじめる。 しばらく登ると周りは細い木々で覆われるようになる。礼文らしからぬ登山道。撮るべきものも少なく黙々と歩く。花よりもキノコがやけに目に付く。喰ったらヤバそうなオーラを出している。たくさん生える(毒)キノコたちの中には踏み倒されたものも結構あった。先を行く人がいるようだ。 頂上が近付いてくると徐々に視界が開け始める。道の続く丘の二つ向こうに礼文の頂が見える。目標がはっきり見えると歩みに力が入る。周囲の写真を撮りながら丘を登る。 礼文岳の手前でさっきの足跡の主とすれ違う。丘の上から彼らが下ってくるのを見ていたが、彼らは富士登山駅伝のように駆け下りてきていたのだ。どこかの大学の山岳部だろうか?すれ違いざまに「凄いですねぇ」と声をかけると「9時27分の便・・・・」とドップラー効果のような声を残して下っていった。少し離れてその相方が遅れて下っていった。さっきもらった時刻表を見ると内路をバスが通過するのがそのくらいの時間だ。時計を見ると8:40を回っていた。「無茶しよるなぁ・・・」 |
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礼文岳の頂上には自分ひとりしかいない。来た道を見下ろすとさっきの遅れていた相方が林の中に消えていくところだった。羽織っていたシャツを脱いで火照った体を風にさらす。空はほとんど雲で覆われていたが、視界は開けていた。利尻岳もはっきりと見える。香深から出港した1便も見えた。見送りには行けなかったが、今日離島する人が何人かいたはずだ。小さくなっていく船に向けてシャツを大きく振り回してみた。 頂の周りには低木しか生えていない。スコトン岬も船泊も桃岩も近くに見える。縦長の筈の島がやけに詰まって見える。前回途中まで歩いた8時間コースもここから良く見えた。車の中で文雄さんに釘を刺されていなかったら西海岸へ向けて下っていたかもしれない。腰を下ろし、今朝もらったおはぎを平らげる。おなかはすいていなかったが頂上で食べたかったのだ。 1時間ほどココにいた。汗だくだったシャツも程よく乾いていた。もらったバスの時刻を見ると次のは11:40台。登ってくるのに1時間半かかっているのでボチボチ下りる事にしよう。下っていくと入れ替わりで若い夫婦とすれ違う。1便で来た人だろうか? 坦々と下って行き、起登臼の分岐を超えると地面に”イソゲ”の書置きが残っていた。さっき駆け下りて行った2人組のひとりだろう。彼らは間に合ったのだろうか?下りきるのには意外に時間はかからなかった。ちんたら歩いて1時間10分ほど。30分ほどバスを待ち、香深港行きのバスに乗り込む。先客は一人。ウトウトしているうちに香深港に着いた。 |
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空模様が今朝とあまり変わらないので桃岩の方を回ってみることにした。九十九折に登る舗装路を右手に見る山道をひとり登っていく。途中からは前回も登ったのに何故か印象が薄い。展望台に着くと、小数のツアー客が引き上げるところだった。 桃岩周りもそれなりに花は咲いていた。が、林立する朽ちたエゾニュウがなんとも荒涼とした雰囲気を醸し出している。利尻はまだ全体を見ることが出来るが雲が厚みを増しつつあり、立ち止まっていると吹き抜ける風が肌寒い。海を眼前にしているのに晩秋の高原にいるかのような不思議な感じだ。少し歩いたところから桃岩THを改めて見る。崩落の状態が良くわかる。巨石が当たらなかったのは幸いだが、あの状態での営業は正直キツイだろう。 元地灯台から南を望む。湿気が増しているのか鼻がむずがゆい。早目に下ろう。29番もそこそこに知床へ下っていく。 夕食までは間が空くので知床の売店で買い物がてら休憩。売店のおばあちゃんにとうきびをいただく。なぎさに帰り着き、表で買い込んだ菓子をぱくつく。波が大分高くなってきた。中に戻り、しばらくすると大粒の雨が降りはじめた。他の人達は大丈夫だろうか? 夕食時、明日の予定は聞かれなかった。フェリーも明日は全便欠航だそうだ。今晩中に抜けきってくれれば午後くらいは回れそうな感じはするがどうなる事やら。今晩はミーティングはなかったが自然と人が集まったのでセイコマで買っていた珈琲酎を提供した。微妙なリアクションだった。 |
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