観光ツアーでは行かないと思えるロンドンの魅力などをご紹介します。順不同

ハムステッド・ヒース リトル・ヴェニス リージェンツ運河 アヴェニュー・ガーデン ケンジントン公園 ルート・マスターとDLR
ロンドン点描 4 アヴェニュー・ガーデン (リージェンツ・パーク)

RP駅出口(上左)北側にある公園の入口(上右)南北に伸びるベンチが並ぶブロード・ウォーク(中上)、西からジョギングして来た女性(中下)、その右側がほぼ対称形にイングリッシュ・ガーデンが配列された南北に伸びるアヴェニュー・ガーデン(下)
 ロンドン市街北側に位置するRegent’s Park (リージェンツ・パークRP)は多様な顔を持つ。
 南西部のボート遊びが出来る池と周囲の庭園、隣接するローズ・ガーデン(ロンドン紀行3)、北東部には世界最初の科学動物園があり、この南には広い芝の空間があって、休日には市民がクリケットなどに興じている(ロンドン点描3)。そして、小生、未探訪の東南部。

 2011年5月12日早朝、天気予報が外れ、快晴だった。となれば“朝飯前”散歩・・・。ガイドブックを見つつ、急に思いが膨らみ、ホテル至近のパディントン駅から地下鉄ベーカールー線南行きに乗車した。4駅目・所要時間7分程で着いたのがRP駅。初体験の駅だが、案内は分かり易い。低い陽光が射す方を右手に北へ歩いた。

 間もなく木々の多い広い公園に入った。
 ロンドンの緯度は樺太中部に相当し、朝日が木立の合間から陽が射すが、影となる場所は薄暗さを感じるほどだった。
 一方、陽光が射している場所はすこぶる明るく、肉眼では調整できるが、素人写真家では撮り辛い。緑に焦点を合わせると、青空が白くハレーションを来す。アングルを変えて青空を入れると、緑が暗くなる・・・。コンパクトカメラでの撮影技術の未熟さ・限界を感じた。
 と同時に、早朝のすがすがしさ、上質な環境に感動を抱きつつ、歩を進めていた。ジョギングをする女性に、場所などを尋ねようかと目を合わせたが、笑顔で手を挙げ、走り去って行った。残念・・・。

 後日、調べると南北に数条ある通路に名が付いていた。広めのベンチが並ぶのがBroad Walk(ブロード・ウォーク BW)で、何と、RPの北の端、ロンドン動物園の入り口まで貫いている。

アヴェニュー・ガーデン(AV)にある大きな噴水(上)朝日に照らされ、空は澄みきった青空(写真はハレーション!)。散策路の両側に多様な庭園・植込みがほぼ対称形に並ぶAV(中)。AVの北端西方チェスター・ロードから南に広がるRP(下)
 イングリッシュ・ガーデンといえる庭・植え込みが左右ほぼ対称形に連続する散策路がAvenue Gardens(アヴェニュー・ガーデン AV)。彩りが鮮やかであり、ここを北にゆっくりと歩いた。各庭・花々を撮りながら・・・。木漏れ日が強く、陽影とのコントラストが強すぎて、納得し得る写真が撮り難い。困惑・・・。
 時折、右手にBWが見通せる。ここをジョギングする人たち10人近くを見た。南に走る人たちが多かったが、出勤前の時間帯として、自宅への帰路だろうか・・・。小生の自宅は湖山だが、車の排気ガス・人工音のない環境でジョギングは不可能。東京都心では皇居の周囲がジョギングスポットになっているが、車道は近い。両側が木立で、自動車が走らない静寂なBWの何と恵まれたことか・・・。とにかく、ロンドンの公園は多く、広く、充実している。
 150m程度のAVを北に歩くと行き止まりで、東隣のBWに出た後、車道に出た。BWはさらに北に続くが、小生は車道(Chester Road)を西に歩むと、直ぐに、南に視界が開けた。木々が多く、広い空間はやはりRPの一部で、南側にカフェがあることも分かった。また訪れる機会があれば、このカフェでの休憩も・・・。
 ローズ・ガーデンを経て、西南側からRPの外にた。マダム・タッソー蝋人形館のグリーンの丸い建物を眺めつつ歩き、Baker Street駅前に出て、約1年半ぶりに再会したシャーロック・ホームズの立像に挨拶をして、充実した1時間余の“朝飯前”散歩 を終えた。

 日本と西欧の違いについて、例えば、余暇について話題にすることがある。それは数世紀に及ぶ農業と狩猟の違いに及ぶ。日本は、四季の変化が大きく、機を見て皆が、協働することで収穫量が上がる。また、開墾・干拓で、耕地面積を広げること然りである。一方、狩猟は、優れた狩人がいて、獲物を多く獲り過ぎると、次世代が食べるに困ることになる。お腹を満たせる量を獲れば、必然的に余暇時間が生じる。また、森を伐採すると、獲物の住処を奪うことになる。
 数世紀(以上)に及ぶ違いは、当然、遺伝子に組み込まれている。近現代に至って、日本人が“エコノミック・アニマル”と揶揄されたこと、未だに、余暇の過ごし方が拙いこと、そもそも余暇時間が少ないことなど、西欧との対比が目立つ。
 ロンドンの公園に身を置き、リスや鳥たちと人との距離が近いこと(〜人が近づいても、逃げないリス、水鳥たちを体験すること)も含めて、体感することが多い。

 心地良い朝の公園に感謝 : I love London!
(2012/02/01)
ハムステッド・ヒース リトル・ヴェニス リージェンツ運河 アヴェニュー・ガーデン ケンジントン公園 ルート・マスターとDLR

上記は、鳥取県東部医師会報の[随筆]欄用に寄稿した内容です。