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『愛犬家通信ふりふりテ〜ル』2007年2月号

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ふりふりテ〜ル2007年02月号 寒の最中だというのに、我が家の庭の白梅はもう盛りを過ぎようとしています。温かい冬を喜んでいいのか、しっぺ返しを恐れるべきなのか 本当に複雑です。雪との格闘が不要であることはありがたいですね。
ところで、話題になった 徳島の「崖っぷち犬」ですが、最初の報道で全国から700人もの引き取り希望者があったということでしたね。経過は知りませんが、最終抽選で地元の家庭に引き取られたとニュースが報じていました。しかし、そのニュースの最後に、同時期に捕獲された兄弟犬と思われる犬には一人として引取希望者がなかったと付け加えられていました。その瞬間、猛烈な憤りがこみ上げたのを忘れません。結局、引き取り希望者たちの魂胆が露呈される結果となりました。気の毒な崖っぷち犬に愛の手を差し伸べた人の多さに初めは喜んでいた私ですが、日本人の常なのか、有名なもの、話題のものを手に入れたい、あるいはあやかりたいという下心が浅ましく見えてきてすっかり感動も冷めてしまいました。そんなに引き取りたいんなら、他の子にも目を向けてよ、保護施設にもいっぱい同じような子が居るよ、と言いたいですね。徳島だけじゃなく、地元にも温かい里親を待っている子が次々と入 ってくるのです。なんで、「崖っぷち犬」でなきゃいけないの?本当に淋しい気持ちにさせられるニュースでした。日本人の嫌な面を垣間見た思いです。なにはともあれ、犬には罪がないので、あの崖っぷち犬はもちろんのこと、収容されている子達が、一日も早く真の里親に巡り会えますようにと祈らずにはいられません。ちなみに、崖っぷち犬の引き取り手が「犬小屋を買って、えさをあげて、散歩にも行きたいと思います」とか言ってましたね。あの発言は当たり前すぎる、素朴すぎるという見方もありますが、鎖につながれた姿が映っていたような。どうせなら、家の中で一緒に生活させてもらえませんか、とお節介なお願いをしたい私です。僭越ですが、あの里親さんが、崖っぷち犬の飼い主でよかったと安堵できる日がきますように。せいぜい努力をしてもらいたいです。あの子を幸福に。どうかよろしく。
※その後、兄弟犬にも里親さんが決まったそうです。ほっとしました。

クロベエ出奔騒動記

1月29日、仕事を終えて家に到着した私を狂喜乱舞で出迎える犬共の「儀式」がなく、あれ?不思議だなと思った次の瞬間、家族が蒼い顔して、ついさっきまで居たシロベエとクロベエの姿が見えないと言うではありませんか。私はそれを聞くやいなや、慌てて車に引き返すと、すぐさま発進しました。脱走して時間が経ってないので、すぐに見つけるつもりでした。それがなんと、それから捜索三昧の日々が始まるとは誰が想像したでしょう。
どうやら、家族の誰かが うっかり庭のゲートを閉め忘れたのを知らずに、犬共を勝手口のドアから庭に出したのが運の尽きでした。誰の不始末かと責めあう余裕もなく、とにかく必死で捜す以外ありません。出奔当日は、晩御飯どころではなく、遅くまであちこちを車や徒歩で捜し回りました。暖冬とはいえ、夜中の一時ともなると、懐中電灯を手に徒歩で捜し回るのはかなり堪えました。こんな時間に田んぼ脇の道や、墓の前を歩くのは不気味ですが、その時の私は一刻も早く彼らを見つけたいという一心で、できることなら朝まででも捜したいと思いました。
歩道のない県道は、大型トラックが とんでもない速度で疾風のように通り過ぎます。風にあおられながら、道脇によけると、側溝が口を開けており、深夜の県道が牙をむくさまは恐怖でした。その日は収穫のないまま、2時頃に床に就いたものの、自宅付近の国道や県道を時折矢のように通っていく車の音が耳についてなかなか眠れませんでした。まさか、既に、あの子らは・・・。ろくに眠れぬまま、早朝5時には身仕度を整え、懐中電灯を頼りにまだ暗い外に出て行きました。夜が明けると、車の数もどんどん増してきます。できることなら、この車を全部止めてしまいたい、あの子らがはねられる前になんとか手を打ちたい、と願うばかりでした。
次の日も 仕事には出たものの、帰宅するまで気が気ではありませんでした。帰宅後はもちろん、味の分からないまま夕食もそこそこに捜索です。近隣の町、河川敷、山のふもとの田んぼ、住宅街の縁の下、駐車場のトラックの下、可能な限り、あちらこちらを回りました。ひょっとして、もうかなり遠い所へ行ってるのか、あるいは、山に入り込んでしまったのか、だとしたら猟師に撃たれはしないかしら、いや、誰かに保護されてるということはありえるだろうか。シロベエならともかく、怖がりのクロベエは未知の人についてはいくまい、それとも、よその鶏舎や畑を荒らしてなどいるのか、などと、あれこれ想像してみてはため息をつくばかりでした。言うまでもなく、保健所(鳥取県では犬猫に関する扱いは「生活環境局」の担当だそうです)、地元駐在署、鳥取市警察署、役場、消防署、それに、近隣の警察署にも連絡してみましたが、手がかりはありませんでした。友人が、車に轢かれたのであれば、国土交通省に尋ねれば分かると言いますが、小心な私にはそれを知る勇気もありません。通勤途上も、道路にあの子らの変わり果てた骸が転がってはいまいかと生きた心地がしないのです。あとは、自力で帰ってくる「帰巣本能」とやらを信じるのみです。親切な友人の一人から「今のところ車にひかれた形跡なし。大丈夫。」とメールが入りました。彼女は自宅から国土交通省に電話をかけてくれたのです。勇気付けられました。どうか、無事で帰ってきておくれ。そう祈り続けるしかありませんでした。ゲートは開放したまま、影膳よろしくフードを入れた食器を置き、いつでも彼らが帰ってこれるようにしましたが、どうやらフードは イタチや野良猫の餌になったようで、見渡して名を呼んでも、風で舞う葉っぱの音ばかりが虚しく聞こえるばかりでした。
そして、出奔から3日目の未明、なんと、シロベエが帰ってきたのです。しかし、彼と一緒のはずであるクロベエの姿はありません。もう捜索は日課にまでなっていました。クロベエはおとなしい子で、人への攻撃性はなく、迷惑をかけることはないと思うのですが、あとは交通事故など悪い想像ばかりがたくましくなっていくのでした。
市内の動物病院全てに該当犬の持ち込みがないか友人が手分けして尋ねてくれました。県境を越えると想定した場合、捕獲されて処分されては大変と、岡山の動物保護センターにも連絡を入れておきました。日々、食パンやジャーキーを運転席の側に置き、いつでも 空腹のクロベエを引き寄せることができるように準備していましたが、それも虚しく固くなっていきます。「ベンケ お願い!クロベエを無事返して!」と亡き愛犬にも頼み、お隣の神社にも必死にお願いしました。もう回るべき所はほとんど回っていました。しかし、影も形もありません。新聞やラジオでも呼びかけたのですが、目撃情報は たったの一件でした。それがクロベエであることを信じることで、どうやら、今のところクロベエは無事らしい、との思いが我々を元気づけてくれました。
ゲートをうっかり開けていたことより、首輪を付けていなかったことなどが悔やまれました。目撃者も、首輪がないので野良犬かと思い、通報もしなかったそうです。
一週間が過ぎ、もはや、万策尽きたかと思われたある日、前日に買い物に来てくれた親しいお客様の一人Jさんから 興奮した声で携帯電話がかかりました。「岡さん、すぐ来て!」それはまさしく 私が待ち望んだ「クロベエ発見」の吉報でした。Jさんは クロベエの出奔をメールで知らせてから、自身も歩き回り、エリア内の知人に協力要請もしてくれていましたが、なんたる奇遇か幸運か、彼女自身が源太橋付近の河川敷に下りる道でうずくまるクロベエを発見し保護してくれたのです。首輪もしていないクロベエを逃がすまいと必死で励まし、私の到着を待っていてくれたのです。赤信号ももどかしく全速力で駆けつけた私の目にしゃがんだJさんに守られたクロベエが飛び込んできました。彼は左前足を骨折していましたが、命は無事だったのです。家出から9日目のことでした。すぐさま動物病院に運んだ結果、一週間ばかり前に車にはねられたようだとのことで翌日手術することになりました。
クロベエがこの程度の負傷で我が家に帰宅を果たせたのも、たくさんの方のご協力があってこそと心から感謝しています。チラシを手に心当たりを尋ねてくれた方、電話での聞きこみは勿論、ご自身で足を運んで捜索して下さった方、何度も店をのぞいては心配して下さった方、そんな方々の祈りが力となって通じたものと確信しています。

通報の重要性

今回の愛犬出奔騒動で思い知ったことがあります。それは、迷い犬を見たら通報をするべきだということ。そして、家の中で暮らす犬にも首輪(名札付)を着けるということです。今回ほど、発信機があったらどんなに助かるだろうと思ったことはありませんでした。実は、某警備会社で既に愛犬の居場所を知らせる発信機がリースされています。ただし、私の知る限りでは、装着するには、ちと大きく重そうで、常に首に着けるのは犬にとって負担に思えるので、さらなる改良を待ちたいと思います。
ところで、首輪のない犬=野良犬と判断し、通報することによって、捕獲されそのまま処分されてしまうのではないかという心配から、通報をしない人がありますが、実は私もその手あいでした。しかし、今回の一件では、通報によって、一日も早く保護されることが望ましいことを痛感しましたので、是非とも そういう犬を見かけたら動物保護管理所(通称 保健所)、最寄の警察署、役場などに通報していただきますようお願いします。また、道路での交通事故で災難に遭っているかどうかは、国道なら国土交通省ですが、市道、県道などはそれを管理する各自治体に尋ねないと分かりません。山に入り込んだという場合には、猟友会などに連絡すると力になってくれるかも知れません。また、路上で負傷した犬を動物病院にも持ち込んでくれる奇特な方もありますから、そこも当たって見るといいでしょう。
クロベエは、手術を終えて 今は三本足ながら療養に努めています。私の管理不行き届きから、痛い思いをしたのはクロベエだけではなく、私の痩せた財布も大怪我をしたのでした。とはいえ、こんなことで済んで本当になによりと感謝しています。命の恩人ともいうべきJさんは勿論のこと、関わってくださった多くの方にも深謝しています。
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