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『愛犬家通信ふりふりテ〜ル』2009年4月号

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ふりふりテ〜ル2009年4月号 じっと寒さに耐えていた沈丁花が今だとばかりに開き出し、枯れ枝に小さな新芽が吹き出して、ようやく待ちに待った春が到来です。
烏取地方は、正月に40cmばかりの積雪に見舞われた以外は、予想外の混乱もなく、再び心躍る季節に巡り会うことができました。雪のドッグランを走る、というより泳いでいた犬たちも、また四本の脚をフル回転させて、元気いっぱいに飛び回っています。
先日、我が家で一番の長老格になった11才のテコ(雑種)を久々にドッグランに放したところ、ゲートを開けるや否や、いきなり猛スピードで駆け出しました。目にも止まらぬ俊足は、以前と少しも衰えていません。雑種ながら、かつてはJKCの訓練競技会中国大会でもラブラドールを抑えての二位に入賞した経歴を持つテコは、その敏捷さが売り物です。病歴もなく、ここまで健康問題には無縁できました。しかし、予備運動もなく、いきなり快足を見せびらかさんばかりに猛走するテコを、満足気に目を細めているわけにはいきませんでした。なんせ、全身を地面すれすれに倒して走るには 彼女は年を取りすぎています。しかも、悪いことに、まだ若干1才に満たないような番頭見習いのチーバとの競争に発展しています。チーバの快足も、見ごたえある速度がありますが、それに負けてならじと、テコが風を切ってびゅんびゅん飛ばします。その眼差しも動きも、完全に若い衆を意識してのことだと解るほどです。「あんたなんかに負けるかよ」という態度です。
なんだか、その白熱ぶりに、喜びより不安を感じてしまい、疾走を止めたのですが、まだ足りないという感じでした。「無理すんなよ。テコ婆さん。」と苦笑しながら休ませたのでした。
その時は まだまだイケルなという思いがあったのですが、翌日のことです。ドライブのお供をさせようと誘い、車に乗せる前に軽く運動をと思ってドッグランに放すも、彼女はわずかな敷居をまたぐときにも、ひい〜っと声をあげる始末。走るどころか、そろそろと、おっかなびっくりで歩く様子が、どうみても尋常ではありません。あれ?脚か?いや、腰か? 急な症状に一瞬慌てたのですが、昨日のこれみよがし快走を思い出し、ああ、原因はあれだと確信しました。その日は悶々と終えましたが、二日もするとまた元気になり、試しに走らせると、またしても弾丸の如く復活していました。こうしていつまで快足で居られるか、気をつけながら見守っていこうと思います。

再び「おくりびと」になって

我が家では、平成14年に17才のヤタロー(雑種)、18年に14才のベンケ(ラブラドール)、そして、20年の7月に14才のタム(バセットハウンド)が旅立っていき、次なる老犬は15才のカバ(ウエスティー)でした。ベンケが亡くなった直後から、よく咳が出るようになっていたので、心臓の機能低下を疑い、漢方薬を飲ませていました。しかし、おかげさまで いつのまにか咳をしなくなって3年近くが経ち、どうやら安定しているし、特に変わりがないので安心しておりました。
ところが、この2月21日、まさにベンケの月命日であるその日、残したことのない食餌を残しました。しかも呼吸が速いのです。どうやら、いよいよ心臓が悲鳴を上げているようでした。翌日、受診し、エコー、レントゲンなどの検査を踏まえての説明によると、心臓の弁がうまく開閉せず、血液の逆流が起きているので酸素テントに入れて安静を保つしかないと言われました。そのまま入院させたのですが、改善されず、23日の朝面会に行くと、かなり呼吸が苦しそうで、これはいかんと悩んでしまいました。一息一息がやっとの思いで大仕事なのです。こんな調子では生き地獄だと思ったので、その場で先生に「楽にしてやれませんか?」と尋ねてしまいました。「それは安楽死ということですか?」と問う先生を前に、初めて「安楽死」問題と直面する自分が居ました。
これまでも、愛犬の苦痛を直視できない、なんとかしてやりたい、希望がゼロなら薬で永遠の眠りにつかせたいという飼い主さんの苦悩の相談にも乗ってきましたが、自分がこの問題に向き合うとは・・・。
私は、不治の病や重度の障害を負った動物を安楽死させることには反対なのですが、極限に達した苦痛を長引かすだけの延命治療には賛成できないのです。十分に悩み、考えぬいた果てに出す結論ならば、場合によっては安楽死という選択も止むを得ないという考えを持つに至りました。が、先生は静かに、この問題は夕方、再度時間を割いて納得のいく結論を出しましょうと言って下さいました。私は苦悩の余り自分が心臓発作を起こしそうでしたが、その夜、再度カバを見てから決断するつもりとはいえ、苦しい呼吸の下でもピラニアのように食べたがるカバを想うと、思う存分食べさせてから薬で逝かせるというシナリオを描いていました。しかし、果たして、その日の午後3時前、病院からカバの呼吸停止を知らせる電話がありました。そして先生が、思いやりのある口調で、蘇生処置を希望するかどうかを尋ねてくれました。私は、ためらうことなくそれを断りました。せっかく、いや、やっと苦しい肉体から離れることができたのに、もう一度戻すなんてことはできませんもの。私の言葉に、先生も寄りそうように、そうしましょうと答えて下さり、心から救われた気がしました。予定では18才まではと望んでいましたが、どうやら、寿命は尽きたようです。カバの愛らしい姿は 病院で既に「納棺」されていました。奇しくも、その日は「おくりびと」がアカデミー賞に輝いた日でした。カバは、この小心な母ちゃんが苦渋の決断をしなくてもいいように、時を選んで独り命を終えてくれたのでしょうか。
2月23日のことでした。カバ15才6ヶ月。病気知らずの健やかな一生の結末でした。

ティアハイム

ふりふりテ〜ル2009年4月号 お仕事の関係で年に何度も外国旅行の機会に恵まれるMさんは、専門がドイツ語ということもあり、ドイツ語圏はお手のもの。ありがたいことに、私の保護犬活動への興味に賛同してくれて、行く先々で目にする犬や猫の情報を伝えてもらえるのが、なによりも助けになります。3年ほど前のオーストリアの「犬免許」についても詳細を全訳してくれ感激しました。
さて、今回、旧東ドイツのドレスデンに行き、そこにあるティアハイムという動物保護施設(英語での直訳は「動物の家」)を訪ねた時の報告に、またしてもドイツ人の動物愛護熱を実感させられました。そこでは、犬、猫はじめ、鳥、フェレット、金魚、鯉など 人間に飼われている、いわゆるペットといわれる動物の遺棄や放浪などに救助の手を差し伸べ、然るべき飼養管理をしながら、元の飼い主を待ったり、新しい里親を見つけたりという活動をしています。凶暴で、不幸にして里親の希望が期待できないような犬などにも、殺処分という選択肢はなく、最期まで施設内で守られた一生を全うすることが約束されています。運営は市立も民間もあり、個人の寄付も使われているそうです。中には遺産をこういう動物たちに残す人も大勢居るそうで、ドイツ人の動物への愛情には脱帽です。ただの動物好きではないようです。
また、今回特筆すべきは、ライプツィヒにある中部ドイツ放送協会がゴールデンタイムに里親探しの番組を流していることです。保護動物たちの詳細、現況、そして兄弟だからできれば一緒にもらって欲しいなどという希望までが、丁寧に紹介されているそうです。毎週水曜日30分番組です。なんとしても、いや、絶対に殺さない、どうあっても飼い主を見つけようという努力がなされているのです。しかも、誰もが見ている夜の時間帯に、公共放送でですよ。こうして、犬を飼いたい人は、ティアハイムから自分の家庭や状況に合った希望の犬を引き取るというのがドイツ流。おかげで、哀しい殺処分という非業の末路を迎える動物はゼロ。というより、ドイツでは健康な動物の殺処分という発想自体が存在しないのです。無論、ペットショップも存在しません。これぞ動物愛護の模範的な例ではありませんか。
余談ですが、以前読んだオーストリアの動物愛護に関する文書に、と殺される家畜のストレス軽減や苦痛を最小限にする配慮などが細かく記述されていて、人間の食料となるのが当然の宿命と割り切っている産業動物への慈愛が感じられ、ここまでするのかと思わず胸が熱くなったのを思い出します。
ティアハイムについての詳細は、いつかあらためてご紹介できればと思っています。 できれば、この目で是非とも情報を獲得してきたいものです。
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