01'北海道編123456789101112

7月25日
6:00、起床。 外に出て空を見上げる。 相変わらずの降るとも降らないとも言えない低い雲が広がっている。 テレビの天気予報は知床、根室方面は降水確率50%だと。

寝袋をしまい、テーブルに積んであったノートにありがとうのメッセージを残し宿の奥に出発の挨拶をして出発する。 駅裏から高台に登りオホーツクを望む住宅街を抜けR244を東へ向かう。

昨日も来た涛沸湖を通過すると斜里国道、牧場に囲まれた北海道らしい直線道路が続く。 斜里を抜けR334からはオホーツクに沿って走る道。 海上には霧が立ち込めていて海と空の境界すらわからない。 「降らないだけマシ」と思いながら灰色の海を右手に駆けて行く。

オシンコシンの滝。階段があるのでかなり近付けます。湿度が高い事もあって凄い水飛沫でした。

岩尾別温泉にて。まともに撮れた数少ない野生動物の写真。
オシンコシンの滝に寄ってみる。 道路からすぐ見える所にあり、お店と駐車場も綺麗なところだ。 朝早い時間帯のワリに人が多く、単車も何台か停まっていた。 鳥取ナンバーのハーレーが目に付いたので、それらしい格好の人を探すと、子育てを終えた位の年頃の夫婦のようだ。あこがれるなぁ、ああいうの。

滝の近くまで階段を上ってみる。 かなり近付くことが出来るので迫力がある。 巻き上がる水飛沫がレンズを濡らしてなかなかいい写真を撮るのも一苦労だ。

滝を後にし、しばらく走ってウトロ市街地へ。 道沿いの風景は漁港とも温泉街とも言えるような微妙な感じだ。 市街を抜け、カムイワッカの滝へ向かう道道93号線に進む。 徐々に高度が上がり、山中に入ると更に霧が濃くなってきた。 鹿とかキツネとかの姿がやけに目に付くようになる。

道なりに20分ほど走ると知床五湖に着いた。 来るときからそうだったが深い霧で視界はほとんどない。 「今日はなんも見えんよ」と駐車場のおっちゃんも言う。 駐車場も有料だし、今回は引き下がることにして、温泉にでも行く事にしよう。
この奥にあるカムイワッカの滝。 有名どころだし行ってみようと思っていたら、車両規制でシャトルバスでしか行けないんだそうだ。 来た道を引き返し、岩尾別温泉の方に向います。

道道93号線を外れ、小川沿って走る細い道を抜けると岩尾別温泉ホテルに突き当たる。 露天の看板を見つけて、単車を停めると鹿の親子が繁みからひょこっと出てきた。 「逃げるなよ〜逃げるなよ〜」息を殺して近付き、カメラを構える。

湯船に浸かっていると地元のおばあちゃんが風呂に入りに来た。 鹿の話を聞いてみると、別にめずらしくないんだと言う。 茂みからこちらを伺う鹿にためらいなく石を投げつけていた。 見ててかわいそうになったが、おばあちゃんからすりゃ農作物を荒らす害獣に過ぎないのかもしれない。 

無料の露天風呂。わかりにくいけど階段状になっていて奥の方にも滝見の湯と言う露天があります。

知床横断道路。濃い霧のウトロ側を登りきると一面の雲(笑)
おばあちゃんが出てからは独り占めだった。 上の段の熱めの湯船に身を沈めて目を瞑る。 奥から聞こえるせせらぎの音と木々のざわめきが聞こえる。 冷ややかな空気がゆっくりと流れ、頭を程よく冷やしてくれる。 こんな贅沢、ないよなぁ。

ぼちぼち出ようかなと思ってたら駐車場の方からシングル系の音が聞こえてきた。 「どんな人が来たんだろ?」と思っていたら、湯煙の向こうから現れたのは女性2人組だった。 「うれしい誤算だけど・・・居てもイイのか?」 気を利かせて「出ましょうか?」と聞くと「水着着てるから大丈夫ですよ」って・・・そりゃ良かった。

背を向けて再び湯船に身を沈める。 だいぶのぼせてきた。 うかれていて気付かなかったけどすでに1時間以上入っている。 こっちは素っ裸だったので出にくかったけど視線を確認してすばやく湯船から上がった。 体の熱気が取れずにしばらくはパンツ一丁で写真を撮って回る。

風呂から上がってきた二人とちょっと話をする。 やっぱり昨日ランプに居た二人だった。 今日は近くのYHに泊まっていて、朝風呂を狙っていたんだそうだ。 撮った写真の確認をしてもらい、メルアドをメモってから、降り始めた雨と二人に見送られ走り出す。
R334に戻り、知床峠を横断する。 比較的なだらかなウトロ側、登れば登るほど霧が濃い。 が、峠を越えたら嘘のように霧が抜けた。 眼下に深い緑が広がり、曲がりくねった続いている。 「すっげぇ」 晴れた訳じゃないんだけど気は晴れる。

峠を下りきると当初行こうと思っていた”熊の湯”がある。 ココから見通せる駐車場には結構車が停まっているし、のぼせてたので今回はパスしておこう。 

羅臼側に出て、突き当りを右へ。 しばらく走ったとこにあったホクレンで一息。 こんなトコで取締りしてるとは思わなんだ。 羅臼側は路面が乾いていたので店員さんに聞いてみると「大丈夫でしょ?」って・・・軽さが気になるけど信じましょ。

R244にて。むこうに見えているのは野付半島。この辺りは湿原みたいになってます。

道の駅にて。風連湖畔を望むこの場所には白鳥が飛来するんだそうです。
R335を海沿いにひたすら南下する。 さっきのGSで数日ぶりにカッパを脱いだが走ってみるとかなり寒い。 暖を取りにドライブインに寄ってもアイスしかないと言われ、またカッパを着て走り出す・・・15度って夏じゃないよなぁ。

国後国道から野付国道に変ってすぐ、道道950号線へ、野付半島の先端へ向う。 ちまちまと写真を撮りつつ走っていると前後するスクーターが一台。 先端の駐車場に着くとその年配のライダーが話しかけてきた。 狭山ナンバーのSPACY125ってコトは埼玉県だ。 結構走っているらしく、情報を提供してくれた。 近くに止まっていたバンのドライバーも話しに混じってきて景色なんかほとんど見てない。 単車を降りても気持ちはライダーのままなんだなぁ。
軽トラのおっちゃんにコーヒーをご馳走になり、見送られながら来た道を戻り、R244を南へ進む。 湿原が多く独特な風景が続く。 頻繁に停まって写真を撮る。 風蓮湖に近付くと対岸に根室半島がうっすらと見えてくる。

湖に沿って内陸部に入ると周りの景色が今まで走ってきたような道へと変わった。 パッシングを受け本日2度目の取締りを通過するとR44に突き当たり、それを東へ向かう。 なだらかな牧草地を走り、再び風連湖が姿を現したところにある道の駅に寄った。 チャンチャってのが目に停まってしまったのでこれを食おうと思ったのだ。 今日はまだ何にも食べてなかったしちょうどいい。

道の駅で他のライダーに「何処泊まるんです?」なんて話をしているとSPACYのおっちゃんやってきました。 そういえば今日の目的地は一緒だったんだ。 後に出たんだけどドコで抜いたんだろう? 再会を喜びながら一緒に食事することなった。

食事の後、おっちゃんの予約した泊まる旅館に誘われた。 金がないって訳じゃないけどライダーハウスで行こうっていう個人的な意見もあって断った。 「良い旅を!」おっちゃんに見送られ、根室市内へ向かう。 マップルにあったライダーハウスに向かってみる。 距離感をなくし、自信がなかったが、突き当りを右に行くだけの楽なルートだった。

根室市内にて。なんか雰囲気のある教会でした。特に名所と言うわけじゃないんでしょうけどね(笑)

本日の宿、IndianSummerCompanyにて。宿泊料は無料だけど店の商品を\1000以上買うという一風変ったシステム。
単車を停め、早速入ってみるとどう見ても魚屋のようだ。 不思議そうにしていると店のおばちゃんが近辺の地図兼案内を渡してくれて説明してくれた。 ココで何かを買えばタダで泊まれるというシステムのようだ。 店が閉まるまでに手続きをしなければアウトらしいので昨日までのような走り方をしていたら今日は路頭に迷うトコだったかもしれない。

荷物を置いて根室市内探索と燃料補給と衣類の調達をしに出かける。 この時の道路標識の温度”8℃”ってのは今の衣類じゃかなりキツイ。 明日の際東端の朝日のためにホクレンに寄ってGASの補給をする。 営業時間は午前7時〜午後7時なので、明日の給油は無理だ。 ついでに今の時期の日の出の時間を聞いていると・・・「タイヤ、糸出てますよ」と店員さん。 「ナニィ!・・・ほんとや・・・」コリャ洒落になりそうにない。 市内にタイヤのありそうなトコはないらしく、釧路まで我慢して走ることになった。

シャツを買い、宿に戻ると人が4人になっていた・・・昨日は多かったらしいんですがこれくらいがちょうど良いかも。 貰った地図を元に銭湯に行き、そこでも日の出の時間を聞いてみます。 風呂から帰ると泊まるために購入したカニが準備されてました。 たいらげたあとはビールをいただいて酒盛りになりました。
このとき近辺の単車屋さんの情報ももらえた・・・ホント、ありがたい。

走行距離 338.1km(1886.8km)
使用金額 ジュース \130
チャンチャ定食 \1050
かに&宿代 \1050
銭湯 \360
洗濯 \330
食料 \300
トレーナー \500
ピースサイン チャリダー 7人
ライダー 43人

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